介護施設の入居希望者にはこの問題点を克服してほしい

介護施設,事例

介護スタッフの体験事例です。入居者のご家族にとっては複雑な気持ちになるかもしれませんが、実際に起きた事例としてご了承下さい。

介護施設の規則を守らない入居者はどうなる?

老人介護施設には加齢の入居者がほとんどですがが、病気で介護を必要とする比較的若い方など、何らかの事情を抱えた方がいます。

ほとんどの施設では、入居後の禁煙・飲酒・一人での外出を禁止しているところが多いのですが、稀にその規則を守らない入居者がいます。

隠れてお酒を飲んでもその事実を隠そうとする入居者

飲酒禁止の理由は、酔うと身体行動の自由がきかなくなりますし、他の入居者とのトラブルにも発展します。また、服薬をする方が多いため、健康への懸念があります。寝タバコも火事の危険性があるので禁止です。

以前、施設に入居されている方が、隠れて飲酒を行っていました。介護スタッフに見つからないように、窓から空き瓶を外に捨てていたのです。しかし、お酒臭いですから飲酒はすぐに発見、注意を受けました。

さて、魔が差したような事例なら注意で終わりますが、2~3回目になると厳重注意や退去勧告になります。

その他、果物ナイフ、針、ハサミなどの持ち込みもよろしくありません。入居者ご自身は、「自分でできるので自分でしたい」と思うようですが、できるだけ使用しないように促します。当然、ご家族や後見人、ケアマネージャーにも報告し、対策を話し合います。

介護施設の入居者間の恋愛

入居者は数十名の男女が入り混じっています。高齢に伴い、伴侶を亡くされてから相応の期間が経過する方、元々、独身の方もいます。

介護度にもよりますが、昔と違って、80代なら元気なほうだと思います。なので、男女が長い間、同じ施設に居ることで相手のことが気になり、やがて恋愛に発展するのです。しかし、施設ではあまり歓迎しません。風紀上の乱れが起きるようであれば、やはりご家族やケアマネと相談の上、退去となります。

泥棒に物を盗られたと騒ぐ

「泥棒に入られ、物が無くなった!盗られた」と、周りの入居者に訴えることがあります。
一度きりならまだ良いのですが、数日おきに何度も同じことを繰り返す例がほとんどです。
いつ盗られたか尋ねても、明快な答えが返ってこないため、介護スタッフは傾聴しながら、無くなったとされる品を入居者の方と一緒に部屋の中を探します。
多くの場合、タンスやクローゼット、ベッドと壁の隙間、場合によっては下着の中などから発見されることがあります。本人の尊厳もありますので、上手に対応する必要があります。

一般的に、施設には防犯カメラが設置されており、盗難や転倒、徘徊を動画として記録しています。
盗られたと言い張り、怒りが頂点に達しそうなら防犯カメラを見てもらうことも可能ですが、「物盗られ妄想」も認知症の症状の一部の例がほとんどですので、繰り返しの対応となります。

他人の部屋に勝手に入り、物を持ってくる

これは、別の表現をするなら泥棒なのですが、物を持ち出すという病気の方もいるので、あからさまにはしません。なるべく穏便に、元の持ち主に返したりします。何度も続いたりすると、他の入居者からクレームがきます。そうなると、ご家族やケアマネージャーとの相談の上、退去となります。

施設入居者間の喧嘩

入居者間のトラブルはあまり起きませんが、雑談中の意見の食い違いなや、思い違いなどが原因で口論となります。暴力沙汰になると大事ですので、そのような場合は、お互いがなるべく出会わないように配慮します。介護スタッフが間に入り、全く別のことに気をそらすこともあります。

施設を出て家に帰りたいと懇願する

入居者の気持ちとしては良く理解できる事例です。ご家族と離れ離れになり、ホームシックになってしまうのです。何らかのストレスを抱えたり、一人で寂しいのだと思います。
そのような時、施設ではレクリエーションや、毎日の体操タイムを通して寂しい思いをしないようにしています。

施設からの外出禁止にも関わらず、外出してしまう。

早朝に多い事例なのですが、モーニングケアや朝食準備でパタパタしている時、玄関から外に出てしまう例です。ドアに施錠をしているのですが、開け方を理解している方なら出てしまうことがあります。
一人での外出は、前述したように事故や忘れることで帰ってこれなくなるため、施設内では厳重に注意しなければなりません。ケガをしてしまった場合の過失は施設側にあるからです。

施設内の徘徊

入居時には徘徊の可能性がわかるため、居室にセンサーを設置し、廊下に出た時には、速やかなセンサー対応となります。徘徊の方の特徴として、他の入居者のドアを開けたり、入ったりすることです。転倒の可能性もあるため、迅速な対応となります。