介護施設へ入居時の料金やその後の必要な費用

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はじめに

介護施設に入居する際には、入居料や月々の利用料、個人的な支出など、さまざまな費用が発生します。これらの費用は介護施設の種類やサービス内容、個人のニーズによって異なります。この記事では、介護施設に入居する際にかかる主な費用と、支援の選択肢について説明します。

介護施設の種類と料金構造

2-1. 特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、高度な介護が必要な高齢者のための施設です。 特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難な要介護状態の高齢者が入居できる介護保険施設であり、原則として年齢65歳以上の方で、要介護3以上の認定を受けた方が入居できます。また、特定疾病のある要介護3以上の方であれば年齢40~64歳でも入所可能です。

特別養護老人ホームの費用

「多床室タイプ」又は「ユニット型」で料金が大きく異なります。以下は毎月の目安です。
・多床室タイプの場合:毎月4.4万~約12万円
※多床室タイプとは:
2人から4人がひとつの部屋で生活しながら、ケアを受けて日常生活を過ごします。通常、食堂やリビングなどの共有空間は別の独立した空間に設置されています。

・ユニット型の場合:毎月6.8万~約15万円
※ユニット型とは:10人以下の少人数グループを生活単位(ユニット)

居室タイプのメリット・デメリット
費用が安いのは多床室型です。ユニット型のほうが割高になります。

2-2. 有料老人ホーム

有料老人ホームは、高齢者が心身ともに健康で安心して暮らせるように、比較的自立して生活できる高齢者向けの介護サービスを提供する「高齢者のための住まい」で、食事の提供、介護(入浴・排泄など)の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、健康管理のうち、いずれかのサービス(複数も可)を提供している施設とされています。

介護保険制度における「特定施設入居者生活介護」として、介護保険の給付の対象となっています。設置は、都道府県知事へ届出を行う民間施設で、サービス費用および入居にかかるすべての費用が有料となる高齢者向け住宅です。
年々、有料老人ホームは、介護保険制度の創設により民間事業者による運営がしやすくなったこと、定員要件の廃止、対象サービスの増加、高齢者向け住まいのニーズの拡大などを理由に増加しています。こちらも月額利用料が必要です。

有料老人ホームの入居条件

介護専用型と混合型があります。

介護専用型
・年齢は原則65歳以上
・要介護1~要介護5
混合型
・年齢は原則65歳以上
・自立~要介護5

2-3. グループホーム

高齢者向けの小規模な施設で、月額利用料が必要です。 この施設は、認知症の方に合わせたサポートを受けながら、自立した生活を目指すことができます。

グループホームの入居条件
・医師から認知症の診断を受けている。
・要支援2以上または要介護1以上の認定を受けている。
・グループホームの所在地と同じ市区町村に住んでいる。
・グループホームでの共同生活に支障がない。

グループホームには、ユニット型とサテライト型の2種類の部屋があります。また、グループホームには、認知症の方に合わせた食事や介護(入浴・排泄など)の提供、洗濯・掃除等の家事の供与、健康管理などが提供されます。

入居時にかかる費用

3-1. 入居費用:

入居時には一時的な入居費用が発生します。これは施設の種類や地域、施設の設備等によって異なります。入居を希望する前に、料金比較も必要です。

3-2. 月額利用料:

月額利用料は、施設で提供されるサービスの内容や介護の必要度によって決まります。
例えば、介護保険で必要な費用と、施設入居費用、生活日用品にかかる費用。
その他としては、買い物代行時にかかる費用など、知らないと後で意外に感じる費用もありますので、料金については詳細の比較をするべきです。
施設によっては、ある程度は込みで提示しているところ、別々にわかるようにしているところなどがあります。

3-3. その他の初期費用:

その他にも、個室の改修や家具・家電の購入など、初期にかかる費用があります。

月々の生活費

4-1. 食費:

施設が提供する食事の費用は、月額利用料に含まれている場合もあれば、別途必要な場合もあります。入居者にとっては毎日食べる食事はとても楽しみです。
しかし、美味しいものを毎日食べるには、それなりの金額が必要となります。かと言って、食費を抑えると、ある日はカップ麺が出てきたりするところもあります。
つまり、手作り料理のところもあれば、専門業者に依頼して作るところなど、様々です。
できれば、食事はどのように提供しているかも調べたいところです。

一定の入居者にとって、不味いと感じる食事は耐え難いものです。数か月で施設を退去する例もあります。

4-2. お手伝い料金:

施設外のサービスを利用する場合、お手伝い料金が発生することがあります。これは、施設によって異なりますが、病院への通院にかかる費用、つまり付き添いにかかる費用です。1時間ごとの費用を設定している施設もあります。また、買い物代行も同様で、代行料金がかかってきます。

通院付き添いの場合、混んでいる病院なら3時間程度の時間が必要なため、月に2回も通院したら、結構な出費になりますので、予め調べておくと良いです。

4-3. 個人的な支出:

お小遣いや個人的な娯楽、衣服などの購入にかかる費用も計画に含める必要があります。
一般的な施設は、タバコやお酒は禁止していますので、お菓子やジュースなどの購入費用が主になります。また、デイケア(デイサービス)を利用した場合に、たまにかかるイベントのお小遣い費用、散髪費用も必要です。施設によっては、預り金として2~3万円を施設に預けておき、細かい出費は預り金から使えるところもあります。

支援の選択肢

5-1. 生活保護:

生活保護は、最低限の生活を保障する制度で、介護施設の利用料の一部を補助することがあります。まずは、市町村の福祉課に行き、生活保護の受給申請を行います。審査の結果、需給がかくていしますと、いよいよ毎月、需給できることになります。
介護施設を検討するときは、予め生活保護担当のケースワーカーに相談をすると、施設料金のどの部分を補填できるかを教えてくれます。

また、介護度が高く、オムツ類(紙テープ式オムツ、尿パットなど)を生活保護費での支給ができる場合もあります。(別途、医師の意見と、毎月の少量を所定の用紙に記入してケースワーカーに申請します。)
知らないと、教えてくれないこともありますので、しっかりメモしておいてください。
知っている人、少ないです。

5-2. 介護保険制度:

介護保険制度は、介護サービスの利用にかかる費用を補助する制度で、申請できる人は65歳以上、または40歳〜65歳で特定疾病を患っている方です。介護保険サービスを利用するには、介護認定調査を受ける必要があります。その結果、要介護・要支援いずれかの認定が必要になります。

5-3. その他の補助制度:

地域や自治体によっては、高齢者の施設利用に対する補助制度が設けられていることもあります。
施設に入居した場合、介護サービス(入浴介助や生活支援、福祉用具、デイケア等)を利用することになりますが、個人負担金が気になりますね。
通常は1割の負担となりますが、所得によっては2~3割の場合もあります。
これは、介護保険負担割合証が交付されるので、入居者の必要負担額がわかります。この介護保険負担割合証は毎年7月下旬に自動更新されて、各市町村から郵送で交付されます。

まとめ

介護施設に入居する際には、さまざまな費用が発生します。入居費用や月額利用料、個人的な支出など、事前にしっかりと確認し、可能な限りの支援を利用して負担を軽減することが重要です。
また、施設や自治体の支援担当者とのコミュニケーションを取りながら、適切なプランを立てることも大切です。この記事を通じて、介護施設入居時の費用についての理解が深まったことを願っています。

まだ、介護のことが全くわからず、どうしたらよいのか迷っている方は、お近くの地域包括センターに気軽に相談すると良いです。専門家が揃っていますし、医療機関や介護施設、福祉用具などの分野と連携していますので、親身に話を聞いてくれますし、総合的に安心できます。
施設入居はその後の話になります。