20名が入居している介護施設の当直夜勤者1名の問題点を克服できるか

20名前後の利用者がいる小規模介護施設に当直夜勤者が1名しかいない場合、以下の問題点が考えられます。

当直夜勤者の人員不足

1名の当直夜勤者が20名以上の利用者を対応するのは非常に困難で、人員不足が懸念されます。この状況では、十分な介護サービスの提供が難しく、利用者の健康や安全に影響を及ぼす可能性があります。

ナースコールの重複

介護を受ける入居者は様々な理由で職員を呼びます。職員を呼ぶ場合は一般的にナースコールが多いようです。(略称:NC) 一人で排泄ができない方、電気を消せない認知症の方など、様々です。
一人ごとに呼ぶのなら何の問題も起きませんが、同時に複数のナースコールがなるケースがあります。例えば、一人のトイレ介助中にナースコールが鳴ったら、すぐに駆け付けて待っていただくか、その場で解除するかは、ケースバイケースです。

利用者のケアの質

人員不足により、介護施設のスタッフが十分な時間とリソースを各利用者に割り当てることが難しくなり、ケアの質が低下する可能性が高まります。利用者の健康状態のモニタリングや適切な介護サービスの提供が不十分になるかもしれません。

当直夜勤者の負担

単独で夜勤当直を行うスタッフは、過度の負担を受ける可能性があります。長時間の勤務や休憩時間の不足は、スタッフの健康、また、疲労が蓄積することで、ミスや誤った判断のリスクも高まります。

法的および規制違反の可能性

労働法や介護施設に関連する法規制に違反する可能性があります。日本の労働基準法には、労働時間や休憩時間に関する規定があり、適切な労働条件を提供しない場合、法的な制裁が課せられる可能性があります。

このような問題点を解決するためには、介護施設は適切なスタッフ数を配置し、介護サービスの質を向上させる必要があります。人員不足の解消やスタッフの健康と安全の確保は、利用者とスタッフの双方にとって重要です。また、地域や国の法律や規制に準拠することも大切です。

当直夜勤者の休憩について

介護施設に夜間帯勤務者(日直者)が1名で対応する場合、決まった休憩時間が取れないが、法律的解釈はどうか?

労働基準法

労働基準法は、労働者に対する最低限の労働条件を規定しており、労働者の権利を保護するための法律です。この法律において、労働者に対する休憩時間については一定の規定があります。

一般的に、労働基準法においては4時間以上の勤務において30分以上の休憩時間を設けることが求められますが、特例や例外が存在し、特に夜勤においては柔軟性が認められていることがあります。しかし、実際に勤務している職員からすると、まとまった休息がとれないため、ストレスがかさむことになります。

当直夜勤者に対する介護施設の特例

介護施設のような特別な環境では、24時間365日体制でサービスを提供する必要があるため、通常の労働条件には適用されない特例が存在します。

労働基準法の適用外となる場合もありますが、代替の休憩制度を導入することが求められることがあります。具体的な適用外の条件や代替の休憩制度は、労働契約や介護施設の規則によって異なります。これには、施設の事情もありますが、休憩ができないからと言って、別の日に休憩をとれるようにするということは実質無いと考えてよいでしょう。

合意に基づく対応

夜間帯の休憩が難しい場合、労働者と雇用主が合意に達し、代替の休憩制度を導入することが許容されることがあります。代替の休憩制度には、後日休憩時間を振り替えたり、休憩時間に代わる手当を支給することが含まれます。一般的には十分な休みも取れないし、睡眠もできにくいから、金銭的に補填しますという意味になります。

これらは最終的に、具体的な状況によって異なるため、介護施設の雇用主と労働者との合意や、地域の労働基準監督官庁との協議が重要です。労働者の権利を守るためには、法的なアドバイスを受けることや、労働組合などの労働関連の機関と相談することが役立つでしょう。

このように、明確な詳細規則がなく、グレーの部分が見受けられます。このことは介護職員として勤務する方は覚えておくと良いです。

あとがき

当直夜勤者は、休憩予定を組むことができず、常に待機状態となっています。
結果的に、ナースコールが鳴らない時間帯があり、「その時間は休めるのだから」という、施設経営者がいるようですが、それは結果論であり、待機している時間帯なのです。当直夜勤者が2名なら、交代で休憩時間を確保できます。

このように、労働条件は1名夜勤者にとってはストレスになると思われます。
ただし、日勤者よりは給料が増えます。つまり、夜勤手当がつくためです。

恐らく、この部分が前述した、休憩時間に代わる手当を支給するという部分になるようにも思いますが、労働規約には明記していないのが現状だと思います。もし、その辺をしっかり明記している施設があるのなら、優良経営の模範的な施設だと言えるのかもしれません。

施設には色々ありますので、こちらが良ければ、あちらが今一つという現状もあるでしょう。
介護という仕事を選んだ以上、ある程度の割り切りを持って、モチベーションを持ちつ付けたいと思います。